耳鼻咽喉科 はるクリニック 高崎駅,江木町,高崎市 耳鼻咽喉科

滲出性中耳炎について

滲出性中耳炎とは

鼓膜の内側の中耳腔に浸出液が溜まる病気です。滲出性中耳炎になる前に大部分のお子さんは急性中耳炎か風邪にかかっています。

症状

普通痛みは伴いませんが、液が溜まることにより耳の詰まった感じや違和感を訴えるお子さんもいます。また、鼓膜の動きが悪くなるため特に低音域の聴力が低下しきこえにくくなります。返事をしない、聞き返しが多い、テレビに近づくなどの症状がある場合は、滲出性中耳炎を疑ってみましょう。
小さなお子さんの場合は情緒不安定になったり、言葉が遅いといった症状もみられます。

滲出液とは

滲出性中耳炎の液は耳の中の粘膜を通して中耳腔に溜まったものです。プールやお風呂の水ではありません。液は血管からしみでた血液の成分、粘膜から分泌された粘液、細菌、ウイルスなどが含まれています。
耳管とよばれる中耳と鼻の奥をつなぐ細い管の働きが悪くなり、中耳腔に炎症をおこす物質が残ってしまうと、液が長期間溜まるようになります。

治療

耳管の働きを改善させることと、中耳粘膜を正常化させることが重要です。
副耳腔炎、アレルギー性鼻炎、アデノイド肥大、鼻すすりのくせなどが背景にあるとなおりにくくなります。
これらの治療とともに通気治療を行います。
通気とは、耳と鼻をつないでいる耳管を通して、鼻から耳へ空気を送る方法です。通気のやり方にはいくつかありますので、お子さんに合った方法で行なっていきます。なお、通気治療でも改善しない場合は、鼓膜を切開して浸出液を出す場合もあります。特に、両側の滲出性中耳炎できこえが悪くなっている場合は、早く液をだし聴力を改善させたほうがよいのです。
さらに鼓膜切開を繰り返しても、溜まってしまう場合は、鼓膜に小さな換気チューブをいれることもあります。

検査

鼓膜の動きを器械でみる方法があります。これは、小さなお子さんでも可能です。
聴力検査は4歳前後からできるようになります。月に1回程度を目安として検査していきます。

経過

小学校に入学する頃には治る方が多いです。遅くても10歳前後にはよくなります。溜まっている液には鼓膜を破壊する酵素などもあるため、放置しておくと危険です。鼓膜がへこんだ状態が続き、癒着性中耳炎や真珠性中耳炎など危険な中耳炎に移行する場合もあります。正常な鼓膜の状態になるまで、しっかり治療しましょう。

注意

鼻をすするのはやめて、片方ずつ鼻を押さえてかみましょう。
自己通気は鼻水が出ていない時に1日20回程度行いましょう。

当クリニックでは

お子さんがすすんで治療を受けられるよう、声かけをしていきます。まずは、通気治療を行い、鼓膜を良い状態へと導きます。鼓膜の状態が通気治療にてもなかなか改善しない場合や聞こえが悪い状態では、鼓膜を切って溜まっている液をだす手術を行うこともあります。
そのタイミングに関しては、お子さんの状態をみながら保護者の方と相談して行います。治療は早ければ3週間程度、長いと数年に及ぶこともあります。無理なく治療を続けていけるようサポートしていきます。